配線ダクトと硬質塩化ビニール

配線ダクトは「ライティングレール」や「トラックライト」とも呼ばれ、中に電線を収納した筒状の設備のことで、電線の保護や整理に用いられるものです。

用途としては天井に埋め込んだり直接設置したりして、主に照明器具を取り付けるために使用されます。スポットライトなどを簡単に接続できるため利便性が高く、照明の移動や変更も手軽にできるという利点があります。配線ダクトの材質は大きく金属製と樹脂製に分けることができますが、現在は硬質塩化ビニール製が主流となってきました。これは、硬質塩化ビニールの持つ特性が配線ダクトに非常に適しているためで、ほとんどのメーカーが採用しています。

硬質塩化ビニールの特徴として第一に挙げられるのは自己消化性です。難燃性とも呼ばれるこの特質は、火源があれば燃え続けるものの、火源を取り除けば燃焼を継続しないというもので、多くの建材に用いられています。また、絶縁性も高く腐食の心配がない、耐久性に優れているという点も金属製ダクトと比較した場合の優位性の一つです。

さらに弾力性があることから加工もしやすいという特徴もあります。工具で簡単に切り取りが可能になっており、電線の取り出しなどの作業が容易に行えるということです。これは個々の現場における対応力に即結するもので、作業のしやすさという面からも大変重視される部分となっています。このように硬質塩化ビニールの特性は配線ダクトに非常に適したものと言えるでしょう。

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