鉄道信号工事での「線名札」の使用方法とその工事積算

鉄道の電気信号関係の配線工事において、1本1本の線には「線名札」が必ず用いられます。

信号機器室の中にはリレー架、配線端子架、各種トランス、整流器などが設置されています。それらの接続を示す電気結線図および施工図面に基づいて張られたビニル線に、そのビニル線がどの関係の回路のものなのかを、「線名札」で示しているのです。また、線路わきの現場に設置されている信号器具箱、接続箱、踏切制御子外箱などの中にもケーブルの立ち上がり端子やそこからの内部配線があり、その配線にも1本1本に「線名札」がついています。

サイズは縦約30mm、横約20mm。四角い形状をしています。そこに記入する欄が3段あり、上段に接続している端子番号等を記入し、中段には回路名、下段にはそのビニル線の行き先、つまりそのビニル線の反対側の端が接続されている端子や接点の名称や番号を書くようになっています。工事積算においては、「リレー新設」、「結線変更」、あるいは各種信号機器新設の、配線を伴う工種の積算に「線名札」の労務歩掛や材料も考慮されるべきです。

ところが材料単価(業者持ち材料単価表)にその単価設定はなく、労務歩掛の設定のみが百枚単位で存在しています。これは、ビニル線も含んだ「配線材料」として材料単価が設定されているためです。一方、労務歩掛だけが単独で設定されているのは、配線工事それぞれによって必要な枚数が違ってくるからです。例えば、ひとえに「結線変更」といっても、新設配線が50本で撤去配線が100本のものもあれば、新設が100本撤去が50本のものもあります。結線変更の本数は同じ150本ですが、前者で使う線名札は100枚、後者では200枚と違ってきますから、「結線変更」の労務歩掛には含めずに、単独に労務歩掛を設けているのです。

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